高炉スラグ微粉末

 鉄鉱石、石灰石、石こうを混合し、鉄を製造する工場で、

銑鉄を製造する際に生じる副産物である。

 

 銑鉄(せんてつ)(ずくてつ):高炉や電気炉などで鉄鉱石を還元して取り出した鉄

 

 

石灰石と鉄鉱石のシリカ分が結合したものがスラグ

高炉から排出された溶融スラグを急冷した後に粒度調整したものが高炉スラグ微粉末

 

 

高炉スラグ微粉末の特徴

 ①潜在水硬性

  ガラス質(非結晶:他の物質と結合)である高炉スラグ微粉末の主成分は

  普通ポルトランドセメントと同様だが、刺激がないと水和しない。

  

  セメントの水和生成物である水酸化カルシウムの作用で、毛細管空隙中の水が

  PH12程度の強アルカリになると、水酸化カルシウムの刺激で鎖状結合が解かれ、

  水と高炉スラグ微粉末が水和する。

  

  水酸化カルシウムとの反応により以下の2つを生成する。

  ケイ酸カルシウム水和物 (C-S-H)

  アルミン酸カルシウム水和物 (C-A-H)

 

  十分な湿潤養生を行えば、空隙はC-S-Hで満たされ、長期にわたり強度は増進し、

  水密性が向上する。

 

 ②希釈効果によるASR(アルカリシリカ反応の抑制)効果

  非アルカリである高炉スラグ微粉末が混入する分、希釈効果により結合材全体の

  アルカリ量が低減される。

  ただし高炉セメントでいうB種以上(40%以上)が必要である。

  

メリット

・水密性向上

・耐久性向上

・塩分遮蔽性向上

・化学抵抗性向上

・水和熱低

 

デメリット

・中性化が早い